しょぼん
このページでは
- 内閣信任案と内閣不信任案の違いってなに?
- そもそも2つ存在する必要あるの?
などについて紹介するよ。
内閣信任案と内閣不信任案の違い
しょぼん
内閣信任案と内閣不信任案の違いを教えて。
モナー
違いは以下の通りだよ。
内閣信任案 | 内閣不信任案 | |
---|---|---|
「今の内閣にそのまま任していいよね?」というのを話し合う案 | これは何? | 「今の内閣には辞めてもらったほうがよくね?」というのを話し合う案 |
与党の議員 | 誰が提出する? | 野党の議員 |
過半数の賛成 | どうなると可決される? | 過半数の賛成 |
「今の内閣にそのまま任せましょう」ということになる | 可決されるとどうなる? | 内閣は
のどちらかを選ぶことになる |
内閣は
のどちらかを選ぶことになる | 否決されるとどうなる? | 「今の内閣にそのまま任せましょう」ということになる |
しょぼん
つまり
- 内閣信任案の可決 は 内閣不信任案の否決 と同じ
- 内閣信任案の否決 は 内閣不信任案の可決 と同じ
みたいな関係になるんだね。
内閣信任案の存在意味
しょぼん
思ったんだけど、内閣信任案って存在する意味なくない?
モナー
どうして?
しょぼん
例えば衆議院でA党が過半数を占めているとするでしょ?
ってことは内閣総理大臣はA党の人だよね?
つまり、内閣=A党ってことであって「内閣信任案を提出しても可決されるのは当たり前じゃん。だって過半数を占めてるのはA党なんだから。」って話じゃないの?
モナー
そうだよ。
だから内閣信任案って過去に提出されたことはほとんどないよ。
だって提出しても「可決するのが当たり前じゃん」って話だからね。
モナー
ちなみに過去には3回だけ提出されたことがあるよ↓
- 1956年5月1日:
→提出されたけど、提出した人が「やっぱ提出するのやめます」って言ったので採決すらされなかった
- 1992年6月12日
→提出されて可決された
- 2008年6月11日:
→提出されて可決された
内閣信任案はどういうときに提出される?
しょぼん
内閣信任案ってどういうときに提出されるの?
モナー
以下の2つの場合に提出されることがあるよ。
- 参議院で問責決議案が可決された場合
→参議院では内閣不信任案を提出することができないので、代わりに「問責決議」と言って「私たちは内閣のことを信用してませんゾ」みたいな意思表明ができるんだけど、その意志表面に対して内閣信任案を可決させることで「衆議院では一応私たち内閣が支持されてますよー」みたいな建前を作れる
(正直、国民からすると「何なんだこの茶番は」って話である)
- 衆議院で「審議を妨害するために不信任案を出したろ!」みたいな動きがある場合
→不信任案や信任案は「他の議題より優先して話し合いましょう」ということになっているので、可決されたくない議案が出されたときに、野党が妨害工作として不信任案を提出することがある※1。そんなときにあらかじめ信任案を提出して可決させることで、野党に不信任案を提出できなくさせる
(信任案と不信任案はどちらも「今の内閣に任せていいのか?」というのを審議する案なので、「信任案が可決されたということは不信任案はもう必要ないでしょ?」ということになるので不信任案は提出できなくなるのである※2)
※1:国会では時間を稼ぐことは非常に有用な作戦といえます。なぜなら会期内に可決できなければ廃案になっちゃうからです。与党は「廃案になるくらいなら野党の意見もそれなりに反映させて可決させたほうがマシだ」と考えるので、時間を稼ぐだけでそれなりに譲歩を引き出すことができます。(ちなみにこのような作戦のことを議事妨害とよびます)
※2:「同一会期中に同じ内容の審議はしないゾ」みたいな原則のことを一事不再議とよびます
おわり
関連:衆議院と参議院の違い
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