衆議院選挙の仕組みとは？(2/4)

衆議院選挙は、
国会議員である「衆議院議員」を選ぶ選挙だよ。

詳しくは前のページを見てね。
前ページ：衆議院選挙とは？(1/4)

衆議院選挙では

• 「小選挙区選挙」（小選挙区制）
• 「比例代表選挙」（比例代表制）

っていう2つの選挙を同時に行って、それぞれの選挙から衆議院議員（465人）を選ぶことになってるんだ。

図で表すと次のような感じだよ。

この図のように、「小選挙区制」と「比例代表制」が組み合わされた選挙の仕組みを「小選挙区比例代表並立制」と呼ぶよ。

そうだよ。

衆議院選挙の投票所に行くと、

• 「小選挙区選挙」の投票用紙
• 「比例代表選挙」の投票用紙

の2枚を渡されてるから、それぞれの用紙に「候補者の名前」と「政党名」を書くよ。

そうだよ。

まぁそういうことになるね。

うん。

例えば、今現在（2017年6月）、日本の内閣総理大臣である「安倍晋三」は、「小選挙区制」の「山口県」の「1区」で当選して、衆議院議員になっているよ。

参考：安倍晋三 – Wikipedia

「小選挙区制」は

「全国を289個のエリアに分けて
各エリアで立候補した候補者の中で1番多く票を集めた人が当選する」

という仕組みの選挙だよ。

ちなみに、小選挙区制では「エリア」のことを「区く」と呼ぶお！

そう。

289個のエリアからそれぞれ1人だけが当選するから、
必然的に当選する人も「289人」だよ。

人口数で分けるよ。

具体的には次のような手順で分けるよ。

そういうこと。

ちなみに、小選挙区の区割りは人口数に応じて、（原則）10年ごとに見直されるよ。

「○○県（自分の住んでいる県）　○○市（自分の住んでいる市）　小選挙区」

などで検索すると分かるよ。

例えば、「大阪府　豊中市　小選挙区」で検索すると
「『豊中市』は小選挙区の『8区』なんだな！」ということが分かるよ。

あと、Wikiのこのページ（衆議院小選挙区制選挙区一覧）に一覧があるお！

例えば、2014年の第47回衆議院議員総選挙の「東京都」の「8区」の選挙結果は次の通りだったよ。

「石原伸晃」っていう「1位だった人」だけが当選しているよね。

このように、小選挙区制では「1位だった人」だけが当選するよ。

「比例代表制」は、

「全国を11エリアに分けて、各エリアごとに各政党の得票数を集計して、その得票数に応じた議席を『ドント方式』で各政党に割り当てる」

という仕組みの選挙だよ。

ちなみに、比例代表制では「エリア」のことを「ブロック」と呼ぶお！

小選挙区の「区」と区別するためだと言われているお！

その認識で大体合ってるよ。

これについても、あとで詳しく説明するから心配しなくて良いよ。

次の図が、「比例代表制」の「11エリア」と「定数」だよ。

「定数」は人口数に応じて割り当てられているよ。

例えば、北海道エリアは、定数が「8人」。

そして、北海道エリアの選挙結果が、次のような得票数だったとする。

• A党：4000
• B党：2500
• C党：1300
• D党：500

この結果から、「ドント方式」という方法で当選者数を割り当てていくよ。

「ドント方式」は、「総得票数を÷１、÷２、÷３、÷４･･･としていって、数字が大きい順に、議席を割り当てよう！」みたいな方法だお！

「ドント方式」で議席を割り当てることで、得票数が多くゲットできた党も、そうでない党も、そこそこ平等に議席数をゲットできるお！

「ドント方式」で当選者数を割り当てると、次の表↓のようになるよ。

そういうこと。

そうだよ。

各政党は事前に、「もし議席が取れたらこの人たちを当選させます!!」っていう名簿を準備しているんだ。

だから、議席をゲットできたら、その名簿の順位順に当選者を決めるよ。

そう。

例えば、次の表のような感じで順位が決めているんだ。

この場合、

• A党が1議席だけ獲得できれば･･
  ⇒1位の○○候補だけが当選できる 

• A党が2議席を獲得できれば･･･
  ⇒上位2人（1位と2位の○○候補と□□候補）が当選できる 

• A党が3議席を獲得できれば･･･
  ⇒上位3人（1位と2位と3位の○○候補と□□候補と△△候補）が当選できる

という感じになるよ。

ちなみに、「あらかじめ名簿で順位を付けておいて、絶対にその順位通りに当選者を決めよう！」という方法のことを「拘束名簿式」と呼ぶよ。

だから、正式には「比例代表制」ではなくて、「拘束名簿式比例代表制」と呼ぶよ。

ちなみに、参議院選挙の「比例代表制」では、名簿の順位は拘束されていないから「非拘束名簿式」と呼ぶお！

うん。

こればかりは頑張って覚えるしかないね･･。

各政党の偉い人が決めるよ。

「○○氏は、党への貢献が一番大きいから、1位にしとこう」
「△△氏は、一応閣僚を経験してるから、2位にしとこう」
「□□氏は、党への献金量が多いから、3位にしとこう」

みたいな感じでね。

この名簿の順位の決め方は党によって違うよ。

各政党が、自分たちのルールに基いて決めるよ。

「各政党がどういう基準で名簿の順位を決めているか」については、次のページが詳しいお！

参考：重複立候補制度 – Wikipedia

実は

• 「小選挙区選挙」
• 「比例代表選挙」

という2つの選挙は、同時に立候補することができるんだ。

これを「重複立候補」と言うよ。

起こり得るよ。

ちなみに、そのような「小選挙区では落選したけど、比例代表では当選した！」というケースのことを「比例復活」や「復活当選」などと呼ぶよ。

ただし、「比例復活」でも、「小選挙区で全く票を得られなかった人を比例復活させるのはダメだろ！」ということで、小選挙区で有効投票総数の10分の1の得票を得られなかった候補者は、比例代表制においても当選人となることはできないことになってるけどね。

まぁ、両方に立候補した方が当選する確率は上がるだろうね。

その代わり、供託金（立候補するために必要なお金）は余計にかかるけどね。

その場合は、小選挙区で当選したものと見なされるよ。

正直、内心はそう思っているだろうね。

それと、あともう1つ大事な話をするよ。

ほとんど政党では、「重複立候補」している候補者の比例代表での名簿の順位を同率にしていることがあるよ。

つまり、こういう風な感じで↓「重複立候補」の順位を同じにしているということだよ。

「惜敗率」が高い人から順番に当選するよ。

「惜敗率」は、「小選挙区の当選者数の得票率に対して何％得票したか」の割合だよ。

例えば、次の表の結果のように、△△氏が小選挙区で落選した場合、
△△氏の「惜敗率」は「90％」となるよ。（90,000 × 100 ÷ 100,000）

そういうこと。

ちなみに余談だけど、「比例区選出議員は俺たちより格下だ！」と思っている小選挙区選出議員が多いから、大きい政党の幹部クラスは小選挙区オンリーで出馬することが多いよ。

ただ、民進党の「菅直人」みたいに、総理大臣を経験したにも関わらず、「小選挙区で落選して、比例代表で復活する」という残念な人もいるけどね･･。

それは、「小選挙区制」と「比例代表制」のそれぞれにメリット・デメリットがあるからだよ。

まぁ一言で言うなら、それは「大人の事情」だよ。