このページでは国会の会期について紹介するよ。
国会の会期とは?
国会の会期ってなに?
日本の国会では「いつからいつまで話し合いましょう」って最初に期間を決めて話し合うことになってるんだけど
その期間のことを「会期」と呼ぶんだ。
例えば「1月1日から6月31日まで話し合いましょう」みたいに最初に決めるってこと?
うん。
その場合、7月1日になったら「はい!話し合いやめー!解散ー!」ってなってみんな話し合うのをやめるよ。
ちなみに話し合いをやめることを「閉会」と呼ぶよ。
なぜ会期を決めて話しあうのか?
思ったんだけど、「いつからいつまで話し合いましょう」なんて決めずに1年中話し合えるようにすればいいんじゃないの?
国会の会期 → 3種類ある【通常国会、臨時国会、特別国会の違い】
国会の会期には
- 通常国会(常会とも言う):
→「毎年1月に開いて150日間話し合いましょう!」という会期
- 臨時国会(臨時会とも言う):
→「緊急のことを話し合いましょう!」という会期
- 特別国会(特別会とも言う):
→「総理大臣をだれにするか話し合いましょう!」という会期
の3種類があるよ。
順番に見ていこう。
通常国会とは?
通常国会は
- 「とりあえず毎年1月中に集まって今年の予算を決めよう!」
- 「ついでに作りたい法律についても話し合おう!」
みたいな目的で集まる話し合いだよ。
150日間(1~6月)話し合われることになってるよ。
予算を決めるのが主目的で集まる話し合いなんだね。
臨時国会とは?
臨時国会は
- 「話し合わなければいけない事件がおこったから集まって話し合おう!」
- 「ついでに作りたい法律についても話し合おう!」
みたいな目的で集まる話し合いだよ。
通常国会が終わった後(6~12月)に開かれるよ。
話し合わなければいけない事件って例えば何?
例えば、「年度の途中で地震が起きちゃったから復興にお金が必要になった!」みたいな緊急事態が発生したときに
「追加でこれだけお金使おうと思うんですけどいいですか?」という内容の補正予算案について話しあったりだよ。
どれくらいの期間話し合われるの?
話し合わなければいけない内容によって違うよ。
- 数日だけで話し合ってすぐに閉会したり
- 数ヶ月話し合って閉会したり
いろいろだよ。
特別国会とは?
特別国会は
- 「総理大臣がいなくなったので、次の総理大臣を決めるために集まろう!」
- 「ついでに作りたい法律についても話し合おう!」
みたいな目的で集まる話し合いだよ。
「衆議院選挙後の30日以内に開催しなさい」ってことになってるので、30日以内に絶対に開催されるよ。
どれくらいの期間話し合われるの?
ほとんどの場合は、総理大臣を決める内閣総理大臣選挙が終わったら「はい解散ー!」ってすぐに閉会するよ。
でも「他にも話し合うことがあるよね」という場合は数ヶ月話し合ってから閉会したりもするよ。
いろいろだよ。
会期の延長
それぞれの話し合いは、以下の回数まで「延長してOKだよ」ってことになってるよ。
- 通常国会:
→1回まで延長OK
- 臨時国会:
→2回まで延長OK
- 特別国会:
→2回まで延長OK
延長ってどういうこと?
例えば通常国会だと「150日の間に予算とか法案について話し合おう」ってことになってるけど、「150日の間に話し合いがまとまらない!」ってなるかもしれないでしょ?
臨時国会や特別国会も同じで、「こういうことを話し合いたいので◯◯日間の会期を設定しましょう」って最初に会期を設定して話し合いを始めるわけだけど、その会期までに話し合いがまとまらないかもしれないでしょ?
このように話し合いがまとまらないときのために、延長と言って「会期を◯◯日延長したい!」って提案することができるようになってるんだ。
(衆議院と参議院の両方が延長に同意した場合のみ延長できます)
会期の数え方
会期は
- 第1回(特別会)
- 第2回(常会)
- 第3回(臨時会)
みたいに1回、2回と数えられるよ。
「話し合い1回目」
「話し合い2回目」
「話し合い3回目」
みたいな感じなんだね。
会期の最初 → 開会式
会期の最初は開会式が行われて、天皇が「国会ひらきまーす」って宣言するよ。
国会を開くのは天皇の仕事だからね。
毎回ってことは
- 第1回(特別会)
- 第2回(常会)
- 第3回(臨時会)
って国会が開かれたとしたら毎回やるの?
毎回やるよ。
ちなみに「天皇の言葉に政治的なことが含まれてはいけない」ってことで、天皇が言う言葉は毎回まったく同じになってるよ。
震災など特別なことがあった年は別だけどね。
余談だけど、共産党は「天皇の言葉には政治的な策略が含まれてるじゃないか!そんなのおかしい!」みたいなことを主張して、長年にわたって開会式を欠席してたんだけど
最近になって「あれ?毎回言ってること同じじゃね?政治的策略とかなくね?」みたいなことに気づいて一部の共産党員は参加するようになったよ。(本当はこんなに軽いノリではない)
会期不継続の原則 → 会期間の引き継ぎはされない
「会期不継続の原則」と言って、話し合いは会期間で引き継がれないことになってるよ。
例えば、第1回で「◯◯法案について話し合ったけど話し合いがまとまらなかった!」みたいな場合、第2回に◯◯法案についての話し合いが引き継がれることはなく廃案となるよ。
なんで?
せっかく話し合ったのにもったいないくない?
「提出された法案に何らかの決着をつけるため」と言われているよ。
例えば◯◯法案が提出されて、話し合いが10年続いたとしよう。
10年も経ってるわけだから当然その間に選挙が行われるよね?
てことは◯◯法案が提出された10年前話し合ってた人たちと、10年後の今話しあってる人たちは全然別人になっちゃうわけだ。
そんなことになるくらいだったら「話し合いは会期ごとにして継続しないようにしたほうがいいよね」ってことで「会期不継続の原則」があるんだよ。
ちなみに「会期不継続の原則」は「会期独立の原則」などとも言われるよ
継続審査(閉会中審査)もできる
ただし、「この法案だけはどうしても次の会期に引き継ぎたい!廃案にしたくない!」という場合は、「次の会期に引き継がせてください!」って提案することもできるんだけど
これを継続審査と呼ぶよ。
継続審査することができれば、閉会中でも委員会で話し合うことができて、次の会期に引き継ぐこともできるよ。
え?
そんなことせずに会期を延長したり、臨時国会を開けばいいんじゃないの?
そしたら思う存分話せるじゃん。
- 臨時国会:
→開くのに衆議院と参議院の同意が必要
- 継続審査:
→片方の議院の同意だけでOK(例えば衆議院だけの同意でOKだったりする)
という感じなので継続審査のほうが難易度が低いというのが1つ。
あと「ほとんど話し合いが終わってるのに1つの法案のためだけに国会を延長したり臨時国会を開いたりするのはいかがなものか?」みたいな理由もあるんじゃないかなぁ。
ちなみに継続審査は
- 衆議院:閉会中審査と呼ぶ
- 参議院:継続審査と呼ぶ
という感じで衆議院と参議院で呼び方が違うよ。
なぜかは知らないよ。
国会議員 → 超ホワイト職なのでは・・?
これは余談なんだけどさ。
国会議員って、通常国会しか開かれなくて延長もなかった場合、150日しか働かなくていいわけで、しかも土日祝は働かなくていいわけだから年間休日は約258日もある計算になるんだよね。
さらに国会議員って給料めちゃくちゃ高いし、公共料金も無料だったり福利厚生もすごいんだよね。
ええ!
国会議員ってめちゃくちゃホワイト職じゃん!
まぁでも
- 臨時国会が開かれない年のほうが珍しいし
- 休日は地元のイベントに参加したり、国政報告会を開催したり忙しいだろうし
- 任期が決まってるから数年ごとに確実にクビになる恐怖があるし
- 選挙のときはめちゃくちゃしんどいだろうし
って感じでブラック的な要素もあるけどね。
おわり
※1:厳密にいうと「会期を決めなさい」って憲法に明記されているわけじゃありませんが、憲法に「常会」「臨時会」という言葉が出てくることから「会期制の採用を前提としているんだろうな」も解釈されています
コメント