このページでは
- 立法
- 司法
- 行政
のうち、司法について紹介するよ。
司法とは?
司法ってなに?
一言で言うと
法律を破った人を「お前は法律を破ったな!?」と言って裁く組織のこと
だよ。
裁くってどういうこと?
裁くというのは
「この人は○○という法律をやぶったんですね」(事実の確定)
「では、その罪に応じた△△という罰を与えることにします」(刑罰の確定)
みたいな意味だよ。
警察 →捕まえる 司法 →裁く
勘違いしがちだけど
警察に逮捕された時点では、罪が確定したわけじゃないのでその人は犯罪者じゃないんだよ。
そうなの?
うん。
警察はあくまで「法律を犯したと思われる人」(マスコミでは「容疑者」と呼びますが法律用語では「被疑者」が正解です)を捕まえて
- 「こいつは人を殺した疑いがある!」
- 「ほら見て?証拠もそろってるでしょ?」
- 「なので裁いてください!」
と言って司法に差し出すまでが仕事だからね。
(厳密に言うと警察→検察→司法という流れで差し出すのが正確なのですが、ここでは割愛します)
司法はそれに対して
- 「たしかに証拠が揃っているし、この人が殺したんだね」
- 「じゃあこの人にそれ相応の罰を与えよう」
と言って裁くのが仕事。
裁かれて有罪になった時点で「犯罪者」になるんだよ。
じゃあ
テレビニュースとかで「○○容疑者が~」とか報道されている時点では、その人が犯人と決まったわけじゃない
ということか。
うん。
でも、「○○容疑者が~」と報道されているということは「十中八九こいつがやったんだ!」という確証があるから警察が情報を公開しているわけで、報道されている時点で犯人である可能性は高いけどね。
もちろん、犯人ではない可能性もあるけど。
参考:「容疑者」=「犯人」ではないという当たり前の話(外部サイト)
司法の担当 →裁判所
というわけで、法律を破った人を「お前は法律を破ったな!?」と言って裁く組織のことを「司法」と呼ぶわけだけど
実際に国から司法の仕事を任されているのが「裁判所」なんだ。
裁判所なら僕も知ってるよ。
検察官が「こいつは有罪だ!」と訴えて、
弁護士が「いやいやそれ違いますよ!」みたいに弁護して、
裁判官がそのやり取りを見て「じゃあ死刑にします!」みたいに裁く。
みたいなことをするんだよね?
うん。大体そんな感じだよ。
ちなみに、裁判で訴えられた人のことを「被告人」と呼ぶよ。
日本の裁判 →三審制
日本の裁判では、判決に 納得できない場合はさらに2回だけ「もう1回裁判してください!」って上訴できる制度になってるんだけど
この制度のことを「三審制」と呼ぶよ。
また、1回目・2回目・3回目の裁判をそれぞれ
- 第1審
- 第2審
- 第3審(最終審とも言う)
と呼ぶよ。
無実の罪で訴えられた場合で、有罪の判決を受けたとしても2回まで「もう1回裁判してください!」って言えるのか。
少しだけ安心できるね。
うん。
でも逆に、第1審で無罪だったとしても、検察側が「こいつは有罪のはず!だから上訴してやる!」と言って上訴される可能性もあるけどね。
裁判所→ 5種類ある
効率よく裁判をするために、日本には以下の5種類の裁判所があるよ。
- 地方裁判所
- 通称「地裁」
- おもに第1審を担当する
- 判決に納得できない場合は高等裁判所に上訴できる
- 全国253ヶ所に設置されている
- 高等裁判所
- 通称「高裁」
- おもに第2審を担当する
- 判決に納得できない場合は最高裁判所に上訴できる
- 全国8ヶ所に設置されている
- 最高裁判所
- 通称「最高裁」
- おもに第3審を担当する
- 全国1ヶ所だけ設置されている
- 簡易裁判所
- 通称「簡裁」
- そんなに重大ではない事件をおもに扱う
- 判決に納得できない場合は地方裁判所に訴えることができる
- 全国438ヶ所に設置されている
- 家庭裁判所
- 通称「家裁」。
- 家庭に関係する事件をおもに扱う
- 全国253ヶ所に設置されている(地方裁判所と同じ場所にある)
いろんな裁判所があるんだね。
うん。
特に最高裁判所の判決は、「判例」として使用されることが多いから特に重要だよ。
判例として使用されるってどういうこと?
例えば
「こういう事件を起こした被告人は以前、最高裁で死刑判決を受けていたので地裁でも死刑判決にしよう!」
みたいな感じで、最高裁の判決を参考にして裁かれることが多いんだ。
だから最高裁の判決は特に重要だよって話。
司法 → 「憲法に反していないか」もチェックする
司法は
法律を破った人を「お前は法律を破ったな!?」と言って裁く組織のこと
と言ったけど、司法にはもう一つ重要な役割があるんだ。
それは「法律が憲法に反していないか?」をチェックすることだよ。
憲法って「国を縛るためのルール」だったっけ・・?
参考:「憲法」と「法律」の違い
うん。
「みんなが生活するためにはルールが必要だよね」という理由で、法律という名のルールがたくさん作られているわけだけど
そのルール自体がそもそもめちゃくちゃなルールだったら「司法の意味ないじゃん」ってなるよね。
なので「”ルールを作る人に好き勝手させないルール”も必要だよね」ということで憲法があるんだよ。
というわけで本題に戻るけど
司法には
「法律が憲法に反していないか?」をチェックして、憲法に反していた場合は、法律を作った人(国会)に「憲法に反してるじゃないか!法律を作り直せ!」と要求しなければならない
という重大な仕事もあるってことだね。
実質、二審制
日本は実質、二審制なんだよね。
どういうこと?
最高裁判所って、基本的に以下の2つに該当する場合じゃないと開かれないんだ。
- 高等裁判所で「法律がこうなってるので懲役10年にします」みたいな判決が出たけど「その法律ってそもそも憲法に違反してるんじゃね?」な場合
- 高等裁判所で「法律がこうなってるので懲役10年にします」みたいな判決が出たけど「そもそもその法律をそういう風に解釈するのっておかしくね?」な場合
この2つに該当するケースってすごく稀だし、きちんと証拠を揃えたとしても「ダメです」と突き返されるケースもあるからね。
じゃあ最高裁が開かれるって結構すごいことなんだね。
うん。滅多にないからね。
たとえば最近の例だと、コインハイブ事件で「不正指令電磁的記録保管の罪をそういうふうに解釈するのおかしくね?」ということで、最高裁を開くかどうか議論する「弁論」が開かれることになったよ。
参考:コインハイブ事件、最高裁で12月弁論 逆転有罪の二審判断見直しか(弁護士ドットコムニュース) – Yahoo!ニュース」(魚拓)
最高裁は二審の判断を変更する場合に弁論を開くことが多いため、男性に罰金10万円の支払いを命じる逆転有罪判決を言い渡した二審・東京高裁判決が見直される可能性がある。
引用:https://www.bengo4.com/c_1009/n_13674/
おわり
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