このページは、「最高裁判所裁判官国民審査って何?」って人向けのページだよ。
「最高裁判所裁判官国民審査」について、わかりやすく簡単に紹介するよ。
最高裁判所裁判官国民審査とは?
「最高裁判所裁判官国民審査」ってなに?
なぜチェックする?
なんでチェックする必要があるの?
チェックできるのは”権利”だよ。
日本では「三権分立」と言って
- 司法(「裁判所」のこと)
- 行政(「内閣」のこと)
- 立法(「国会」のこと)
という3つの機関を作って
「この3つの機関を中心に国を運営していこうね!」
「そして、この3つの機関が暴走しないように”監視”もしようね!」
ってことになってるんだ。
それで、その”監視”っていうのが、
「3つの機関は、お互いに監視しあおう!」
「そして国民も、この3つの機関を監視しよう!」
っていう2つのことを指すよ。
図で表すとこんな感じ↓だよ。
この青矢印の部分が、「最高裁判所裁判官国民審査」に該当するんだね。
そう。
「最高裁判所裁判官国民審査」というのは
僕たち「国民」が「司法」をチェックできる”権利”なんだよ。
いつ行う?
「最高裁判所裁判官国民審査」っていつやるの?
「衆議院選挙」と並行して行うよ。
並行して行うってどういうこと?
衆議院選挙では、投票所に投票しに行くでしょ?
その投票所で、「最高裁判所裁判官国民審査」の投票も同時に行うよ。
なぜ衆議院選挙と並行して行う?
なんで衆議院選挙と同時に行うの?
「最高裁判所裁判官国民審査」を単体で実施すると「投票に行かない人が多いから」
・・と言われているよ。
つまり
「自分たちの代表を決める衆議院選挙なら、みんな行くだろう!」
「その時についでに投票してもらおう!」
ってことか。
そう。
まぁ、自分たちの生活を左右する「政治」を決める衆議院選挙ですら
投票に行かない人の方が多いのが現状だけどね・・。
「司法のために投票に行こう!」なんて人、100人に1人くらいしか居ないんじゃないんじゃないかな・・。
そっか・・。
でも、参議院選挙と並行して行うのじゃダメだったの?
ダメだった理由は次の2つだと思うよ。
- 任命された裁判官を早く審査した方が良いから
- 審査する前に退職されちゃうかもしれないから
1.から順に訊くね。
なんで早く審査した方が良いの?
参議院選挙は、6年に1回しか行われないでしょ?
衆議院選挙は、4年に1回は行われるでしょ?
国民に審査されていない最高裁判官が、
何年間も最高裁判官として勤めるのは「三権分立」という観点から見ると危ないでしょ?
だから、「期間が短い衆議院選挙でやった方が良いよね」って話だよ。
なるほど。
それに衆議院は「解散」があるから
実際は4年より早く「衆議院選挙」をやることのほうが多いしね。
あと、「参議院選挙」より「衆議院選挙」の方が
国民の関心が高いから選挙に行く人が多いしね。
(実際、投票率も衆議院選挙の方が微妙に高い)
よく考えられてるんだなぁ・・。
じゃあ次に2.だよ。
「審査する前に退職されちゃう」ってどういうこと?
「最高裁判所」の「裁判官」って、
任命されてから3~5年くらいで退職しちゃう人もいるんだよね。
そもそも任命される時点で60歳を超えてる人ばっかりだしね。(任期は70歳まで)
だから参議院選挙という任期が6年の選挙と同時にやるとなると、
審査が行われずに「任命」→「退職」する人がたくさん出てくるかもしれない。
だから「衆議院選挙」という任期が4年しかない選挙と同時にやった方が安全なんだよ。
そうなんだ。
でも、3年くらいで退職する人もいるんでしょ?
それで、衆議院選挙って4年毎にやるんでしょ?
だとしたら、それでも審査が行われずに「任命」→「退職」する人が稀にいるんじゃないの?
うん。稀にいるよ。
実際、過去に「2人」いたよ↓。
(3) 国民審査を受ける前に退官した最高裁判所裁判官は,舌禍事件により昭和23年6月28日に依願退官した庄野理一(元 東弁弁護士),及び昭和26年7月29日に死亡退官した穂積重遠(元 東京帝国大学法学部長)の2人だけです。
でも、これは稀なケースだし、普通は退職する前に審査を受けるから、
「まぁこれは稀なケースだから無視しても良いよね」ってことになってるらしいよ。
なるほど。
審査方法
審査って具体的にどうやるの?
以下のような投票用紙に、以下のようなルールで投票するよ。
投票用紙 | 引用:blogs.c.yimg.jp |
---|---|
ルール |
|
なるほど・・。
でも、裁判官の名前なんて見ても分からないから、僕なら全部空白にしちゃうかな・・。
実際にそういう人が多いんだよ。
だから、過去に罷免された(やめさせられた)裁判官は1人もいないよ。
そうなの?
じゃあやる意味なくない・・?
そういう風に言う人も多いよ。
- ✕(バツ)を付けずに投票すると「信任票」としてカウントされちゃう
- ✕(バツ)以外のどんな文字を書いても、「無効票」になっちゃう
- そもそも「この裁判官がどんな人物なのか」を知るすべがほとんど無い
(あるにはあるが、それを理解するためにはある程度の知識が必要だし、かなり時間がかかる)
などの理由があるから
「よくわからん・・」
「とりあえず信任に入れとくか」
みたいな人が多いんだろうね。
最高裁判所判事 → 最高裁判所長官になった場合は?
「最高裁判所判事」のときに「最高裁判所裁判官国民審査」を通過して
そのあと10年以内に「 最高裁判所長官」になった場合、その10年以内に「最高裁判所裁判官国民審査」があった場合はどうなるの?
再度審査を受けないといけないの?
具体例を挙げて説明してみて?
(この記事を見てる人のために。)
例えば、Aという裁判官が次のような略歴だとするでしょ?
- 2012年:「最高裁判所判事」として任命される
- 2013年:「最高裁判所判事」として「最高裁判所裁判官国民審査」を受け、罷免されずに済む
この後、Aが2014年に「最高裁判所長官」に任命されたとするでしょ?
この場合、2018年までに行われるであろう「最高裁判所裁判官国民審査」を再度受けないといけないの?ってことを訊きたいよ。
その場合は、受けなくて良いことになってるよ。
なんで?
だって「最高裁判所裁判官国民審査」というのは、「この人は最高裁判所の裁判官にふさわしいか」をチェックするものだからね。
勘違いしてるかもしれないけど、「最高裁判所の裁判官」というのは、
- 最高裁判所長官(1名)
- 最高裁判所判事(14名)
という2種類の裁判官のことを指すからね。
最高裁判所判事(14名)だけじゃないよ。
ああ、なるほど・・。
おわり
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