このページは、「軽減税率ってなに?」って人向けのページだよ。
軽減税率とは?
軽減税率ってなに?
逆に、普通の税率(10%)のことを「標準税率」と呼ぶよ。
導入の目的
軽減税率ってどういう目的で導入されたの?
「お金持ち」と「貧乏人」の格差を少しでも和らげるために導入されたと言われているよ。
どういうこと?
例えば、生きていく上で、年に10万円の消費税を払っていると仮定しよう。
そして、以下のような収入の違う2人がいるとする。
- Aさん:年収2,000万
- Bさん:年収100万
この場合、Aさんからすると「10万なんて大した出費じゃねーや!!」って思うかもだけど、Bさんは「10万も払うのキツイ・・」って思う可能性が高いよね?
つまり、同じ金額の消費税でも、収入の低い人の方が重荷に感じるわけだ。
そこで、「生活に欠かせないモノ(例えば食べ物)の税率だけは低くして、貧乏な人の負担を軽くしてあげよう!!」っていうのが、この制度の目的だよ。
開始時期
軽減税率はいつから始まるの?
2019年10月1日から開始されるよ。
というより、「消費税が10%に上がるのと同時に始まる」と言った方が正しいね。
じゃあ逆に言えば、消費税が10%に上がらない限り、「軽減税率」は導入されないんだね。
対象
どんなモノが、軽減税率の対象なの?
え? 「新聞」も軽減税率の対象なの?
「新聞」って別に、「生活に欠かせないモノ」といえなくない・・?
そうだね。
じゃあなんで対象になったの?
たぶん、「大人の事情」だと思うよ。
軽減税率のメリット
軽減税率を導入するメリットはなんなの?
さっきも言ったように、
「生活に欠かせないモノ(例えば食べ物)の税率だけは低くして、貧乏な人の負担を軽くしてあげよう!!」っていうのが、この制度の目的であり、導入するメリットだと言われているよ。
軽減税率のデメリット
逆に、軽減税率を導入するデメリットはなんなの?
メリットと比べて、デメリットはたくさんあると言われているよ。
順番に見ていこう。
経営者のコスト増
商品を「税込み価格」で表示するだけでも、かなり手間が増えそうだね。
そうだね。
事務のコストが増えるのは必然だよね。書類を作ったりするのもすごく面倒くさくなるしね。
店を経営してる人は、すごく手間が増えるんだね・・。
軽減税率が導入されたあとは、「税込み価格」から「税抜き価格」表示にする店が増えたりするかもしれないね。
金持ちのほうが得する
軽減税率って貧乏な人のための制度じゃないの?
なんで金持ちの方が得するの?
お金持ちの人の方が「生活に欠かせないモノ」にかける金額が高いからだよ。※1
どういうこと?
例えば、極端な話、
- 「貧乏な人」の平均的な食費:20,000円
- 「金持ちな人」の平均的な食費:40,000円
という具合に、「金持ちな人」の人の方が「生活に欠かせないモノ」にかけるお金も大きいんだ。
「貧乏人は鶏肉しか買わないけど、お金持ちは牛肉もいっぱい買う」みたいな感じ・・?
うん。
だから、軽減税率で得するのは、「貧乏な人」より「お金持ちな人」 っていう話だよ。
ますます、お金持ちとの格差が広がるんだね・・。
天下りを増やすかも
「天下り先を増やす」ってどういうこと?
例えば
- お肉:軽減税率の対象
- お魚:軽減税率の対象外
という場合。
次のようなことが起こるかもしれない。
「お肉の方が(軽減税率が適用されてるから)安いから、これからお魚は控え目にしよう!」という消費者が増える
↓
お魚の生産に関わる人たちが「お魚が売れなくなった!」となって困る
↓
お魚の生産に関わる人たちが、各省庁に、「あなたたちの天下り先を確保するので、お魚も軽減税率の対象にしてください!」と働きかける
↓
各省庁が国会議員に「お魚の軽減税率を変えてください!」とお願いする
(お願いされた国会議員は、お金を貰えるし、次回の選挙協力もしてもらえる)
これ↑と同じようなことが、いろいろな業界で起こるかもしれないよ。
「○○は軽減税率の対象なのに、XXが対象外なのはおかしい!!」という風にね。
たぶんだけど、「○年毎に軽減税率の対象品目を見直します!!」とかなんとか言って、定期的に軽減税率の見直しがあると思うよ。
汚い世界だね・・。
政治なんてそんなもんだからね。
消費者が混乱する
消費者が混乱するってどういうこと?
軽減税率が適用されるモノ・サービスの境界線があいまいなんだ。
例えば、ハンバーガー屋などでも
- 持ち帰りした場合:
- 軽減税率が適用される(「飲食料品」に該当するため)
- 店内で食べた場合:
- 軽減税率は適用されない(「飲食料品」じゃなくて「外食」に該当するため)
という具合に、「持ち帰りした場合」と「店内で食べた場合」で違ったりするんだ。
他にも
- みりん風調味料は対象だけど、みりん・料理酒は軽減税率の対象外
- ミネラルウオーターは対象だけど、水道水は軽減税率の対象外
- ホテル客室の冷蔵庫内の飲料は対象だけど、ホテルでの飲食は対象外
- 宅配ピザは対象外だけど、老人ホームに提供する場合は対象
- ・・そのほか色々
という具合に、線引がすごくあいまいなんだ。
たしかにややこしくて混乱しそう・・。
買い物するときに、「この商品は軽減税率の対象なんだろうか。違うんだろうか。」とかいちいち考えちゃうかも。
外食産業が困る
「外食産業が困る」ってどういうこと?
さっきも言ったように、軽減税率の対象は
- 飲食料品(肉、魚、野菜などの食品のこと)
- 新聞
の2つだけなんだ。
つまり、「外食したら軽減税率の対象外だけど、スーパーで食材を買って自炊すれば軽減税率の対象になる」ってこと。
だから、外食を控える人が増えるかもしれないんだ。
そうか、外食産業の売上が減っちゃうのか。
具体的には、外食産業(全体)の売上が「6000億円」ほど減ると言われているよ。
飲食店などの経営者たちはすごく困るよね。
税収が減る
具体的にどれくらい税収が減るの?
具体的には、税収が1兆円も減る予定だよ。(ソース)
もちろん、この減った1兆円の”ツケ”を払うのは、僕たち国民だよ。
まとめ
結局、軽減税率は導入してよかったの?
正直言って、メリットに対して、デメリットが多すぎるから、導入する意味は小さいと思うよ。
それに、メリットも”メリット”と言えるような代物じゃないしね。
じゃあなんで導入したの?
一言でいうと、「大人の事情」だろうね・・。
悲しいね・・。
おわり
※1:総務省の家計調査報告(家計収支編)の「2016年度」「10 年間収入五分位階級別」のデータより参照(URL)
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